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サブクエスト多めのRPG

「好きなRPGは?」

 

 

この問いに自分は「ゼノブレイドクロスFF15(強いていえばLRFF13)」と答えて、(こいつ変なゲーム好きなんだな…)と思われてきた。

 

実際この2作は世間的にはあまりいい評判は貰えず、ワゴンセールの常連である。2作に共通する点として『メインストーリーがいまいち』と確実に言われ、実際そうであるから否定しようもない。(片方は未完だし、もう片方は小説版やDLCに伏線回収を任せてしまってるからそう言われるのも当たり前である)

 

とはいえ、メインストーリーがいまいちだったのは確かだし、ゲームが終わったときの「は?」感が凄かったのは否めないけど、いざ振り返ると『充実感は凄かったな』と思う。そこで2作に共通するサブクエストの存在性について考えてみようと思う。

 

ちなみにこの記事はネタバレを含みます。

ゼノブレイドクロスのサブクエス

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ゼノブレイドクロスの設定を先におさらいしておこう。

 

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プレイヤーは、異星文明同士の争いに巻き込まれ地球を脱出した人類の一人として、“ブレイド”と呼ばれる民間軍事組織に加わり、敵の追撃によって降り立つこととなった惑星“ミラ”を第2の故郷とするために各地を巡りながら調査を進めていきます。

(引用元:任天堂公式サイト

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ストーリーの大元としてはこんなもんで、簡単に言えば『ヤバい状況で未知の惑星に来た』って感じ。宇宙人との対立やら交流やらあったりするが、そもそも未知の惑星なんで原生動物とかがヤバい大きかったりと、既に宇宙人の基地が建てられてたりと「エンジョイ未知の惑星探索!」というよりは「生き抜くために惑星調べなきゃ…」というちょっとした緊迫感が主人公の拠点にも流れてたり。

 

 

この安全を約束されてない感じを味わえるのが本作のサブクエスト。というのも、サブクエストの結末はプレイヤーの選択肢によって大きく変わるモノが多い。

有名なサブクエストの一例としては「レイクサイドバカンス」。「ビアーノ浄水場」と聞くと既プレイならピンと来る方も多いかもしれない。

 

主人公達はビアーノ浄水場の様子を確認すると、異生物に襲撃されており研究員の何人かは既に犠牲になっていることを認識する。研究員の一人を保護するが、選択肢によっては研究員がその異生物になってしまい討伐しなきゃならない…という後味が悪いクエストである。

 

こんな感じで選択肢によっては容赦なくNPCが死ぬのが好みだ。

例えば確定で異生物になってしまうサブクエストだったらそこまで印象に残らないが、主人公の、プレイヤーの選択によって結末が変わるとなると別物だ。

一本道のサブクエストだと予定調和だから仕方ない、いわばプレイヤーとしては『傍聴人で』あり責任もないし、大した感情移入もしないだろう。ここに『選択』という自由が加わることでプレイヤーもそのクエストの『当事者』になり関心を抱くことが出来る。

 

主人公の、プレイヤーの選択。こちら側としては十字キーを1回、2回押してAボタンを押すだけの単純な動作だが、ゼノブレイドクロスではそれが命を左右する重要な選択になる。この比重が主人公達の「油断するとすぐ死ぬ状況にある」「未知なる惑星の探索者であり、自分たちのヒエラルキーが位置が高いわけではない」という緊迫感、それが生み出す開拓心、そして世界観を味わえる一つの要素にもなっている。

 

 

FF15のサブクエス

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FF15のサブクエストはゼノブレイドクロスの雰囲気とは異なり緊迫感というものは薄い。というよりも、ストーリーの雰囲気に反してかなり呑気なサブクエストが多い。

 

ストーリーとしては結婚式に向かうため母国のルシスを出て旅に出たノクティス王子一行だが、旅の途中で母国のルシスが襲撃にあい壊滅状態になったことが判明する。ノクティスは訳も分からないまま、ルシスへの帰国に向かうが、今の自分達では国を取り返すための実力が足りないと感じ、『復讐』のために力をつけに行く旅が始まる…

というのが大まかなあらすじ。

 

FF15といえば釣りだとか料理だとか呑気なゲーム画面がよく取り上げられがちだが、主人公のノクティスの置かれた状況はかなり悲惨である。自身の父親は旅に出てる間に死亡し、次期王として治める予定だった母国は崩壊する。結婚相手にもなかなか会えず…と呑気に旅に出かけたノクティスにとって重い現実が押し寄せて精神的にもキツい環境である。

このサブクエストはそんなノクティス達の一種の安らぎであり、最終決戦の前の思い出作りでもある。強大であった父親ですら殺害されてしまった、更なる強大な敵。そんな相手と戦って無事でいられるかだろうかと感じていたノクティス達の、最初で最後である卒業旅行を彩るサブクエストなのだ。

 

個人的に好みなサブクエストは絶景ポイントにおけるプロンプトの写真撮影イベント。仲間の一人であるプロンプトは写真撮影が趣味であり、戦闘中だろうと撮影してしまうほどのお調子者である。コマンド技で写真撮影が用意されているぐらいだ。

 

この写真は一見ネタ要素に見えるが、このゲームにとって確実に大事な要素の一つだ。このゲームは勿論FFらしく(ちょっと「え?」ってなってしまうのが本作のストーリーなのだが)ファンタジーなメインストーリーを辿っていくのだが、メインの要素はやはり戦闘・釣り・観光を含めた『旅』である。一日の終わりには、撮影した写真を見て振り返るのがノクティス達のルーチンである。

 

深刻な状況が続き、精神的にもやつれていくノクティス達(とそれをずっと見ているプレイヤー)。そんなメインストーリーの息抜きとして写真を見ては「そういえばこんなことしてたな」「なんかこいつらいつの間にかツーショットしてる…」と微笑ましい風景を見て、『このゲームの核はメインストーリーではなく旅』ということを思い出させてくれるのだ。

 

写真撮影のサブクエストは運転中に突然始まる。プロンプトの些細で、ちょっと我儘な一言によって始まるサブクエスト。だが、その一言が旅を実感させてくれるのだ。

 

 

この2作のサブクエストの雰囲気は大きく異なる。ただ、世界観をプレイヤーに体感させるという点においては共通していて、それを素晴らしいと思う。

 

自分がマルチエンディングのゲームが好きかと言うとそういうわけではない。オンラインゲームなら豊富で面白いサブクエストも多くあるだろうが、そういうわけじゃない。ただ、この豊富なサブクエストを味わい、世界を理解した上で結末に向かっていくのが好きなのだ。